豊野店リニューアルの軌跡

長らくの間、お休みをいただいておりました「スーパーライオンズ豊野店」が2020年5月にリニューアルオープンいたしました！
災害から１年が経ち、皆様方からのあたたかなご支援には心から感謝しております。ありがとうございます。
今回は、豊野店リニューアルまでの軌跡をご紹介いたします。

2019年10月13日未明台風19号、襲来

2019年10月12日に過去最大級の勢力で日本列島に上陸した台風19号は、関東甲信や東北地方を中心に記録的な降水をもたらしました。長野市でも12日の夜は防災無線の音が止むことなく、雨と風の音に恐怖を感じながら床についた方も多かったと思います。そして、千曲川堤防が決壊したのは13日の未明。誰もが予測していませんでした。
千曲川は氾濫危険水位を超え、70mにわたって堤防が決壊。その影響からスーパーライオンズ豊野店は１階の天井ギリギリで水が入りました。

「お客様のいない時間帯でよかった」

10月13日の早朝、6時前には店長の黒沢が豊野店に到着していました。

到着時にはなんともなかったものの、6時を少しまわると様子が一変しました。
国道18号を川のように水が流れ始めたのです。

みるみるうちに水かさは増し、水が川のようになって駐車場に流れ込んできたと思ったら、すぐに店内にも水が入り込んできました。そして、間も無くして地域全体が停電。店内も真っ暗になりました。

そうなると、もう手の打ちようがない状況で、午前中には2m60cmまで浸水。1階のフロアはすべて水に浸かってしまいました。

「もしも、お客様が店内にいらしたら、無事に避難させる事ができただろうか・・・お客様のいない時間帯で、本当によかった」。

いつもご愛顧いただいているお客様に被害が及ばなかった事、自宅で被災された方はとても多くいらっしゃいますが、お店の中で事故が起きなかったことは、不幸中の幸いであったと、黒沢店長は心から思ったと言います。

夜明けを迎え・・・。

13日の夜中になって店内の水が減りはじめ、翌朝7時にはヒザくらいの高さまで水が引き、店内の様子を確認することができるようになりました。

この頃には、報道のヘリの音がけたたましく聞こえ、テレビでは中継が始まり災害の様子がだんだんと分かってきました。自分たちは今この災害の中にいるのだ、これは大変なことになったと・・・。
遊戯台はすべて水に浸かり、使うことができない状態に。店内には流れついた泥も5センチほど堆積していました。カフェスペースの厨房機器、食器、バックヤードの景品や消耗品のすべてが泥まみれ。そして什器のほとんどが一度水に浮かび移動して倒れていました。

人々の温かさを身にしみて感じた、復旧作業

水が引くのを待って、復旧作業はすぐに開始されました。

弊社スタッフの多くが駆けつけてくれ、瓦礫等の撤去・店内と駐車場の泥の掻き出し、遊戯台の取り外しと店外撤去を進めました。
店内のすべてが泥まみれ、という状況。その泥は重く、冷たく、異臭もしていました。

「やるしかない、目の前のものを片付けるしかない、という状況でした。迷っている暇もなかった」と、黒沢店長は振り返ります。

片付けには、お隣の仁科工業の社員さんをはじめ、多くのボランティアの方に助けていただきました。電気も水道もない被災直後の暗い店内で、黙々と皆が一生懸命に作業に当たっていました。本当に人の力とは、なんとすごいものかと感じます。
廃棄物の処理が終わりガランとした店内を見たときには、「再開できるだろうか」という不安も大きく先行きが見えないようにも思われました。

「豊野店をどうするか」。

このとき社長の竹内は、ほんの一瞬だけ、豊野店をどうしたらいいだろうかと考えたと言います。
しかし、実際に店舗に来てみると、周辺店舗のどこよりも多くの人が、豊野店に集まり、片付けをしている。みんなで復旧しようとしている。これは、この地で再開させなくてはいけないと強く思ったそうです。そして、その後、建築業者さんに依頼できるタイミングを待って改修工事に着工しました。

そして、営業再開へ

2020年5月に、スーパーライオンズ豊野店はリニューアルオープンを迎える事ができました。

工事中には、地元のご自身も被災している住民の皆様にたくさん励ましのお言葉をいただきました。「いつ再開してくれるの？」と、聞いてくださる方も多くいました。その言葉のひとつ一つが私たちの勇気・元気につながったことは言うまでもありません。

新しいお店では設計時点からお客様の避難誘導のシミュレーションを綿密に行ったり、災害対策道具も多く取り揃えました。

「災害の際には、地域の皆様に助けていただきました。オープンを迎えた今、私たちのお店が今度は地域の皆様から必要とされ、当てにされる会社になっていきたいと考えています。私たちは今、豊野を元気にするために営業しています！地域の人々と寄り添って、元気を分けてあげられるようなそんなお店になりたいと考えています」

そう話す黒沢店長の言葉からも分かるとおり、スーパーライオンズ豊野店はこれからも、この地でお客様にご満足いただけるような、楽しさを与える場所作りを行ってまいります。